『サイバースピード』は、反重力シップを駆り、エネルギーラインに沿って超高速で周回する近未来SFレースゲーム。1996年8月9日にギャガ・コミュニケーションズからPlayStationで発売されました。

本作は、アメリカのMindscape社が開発した洋ゲーのローカライズ作品です。最大の特徴は、コース中央に設置された「フォースビーム」と呼ばれるエネルギーラインと自機が、見えないロープで繋がれているかのような独特の挙動にあります。プレイヤーはこのビームからエネルギー供給を受けながら走行しますが、遠心力で外側に膨らみすぎると接続が切れ、大幅な減速とともにエネルギーを失うリスクを負います。一般的なレースゲームのような自由なライン取りではなく、振り子のように機体を左右に振ってコーナーをクリアする操作感覚は「紐レース」とも形容され、非常に独創的なプレイフィールを持っています。

レースそのものの真面目な作りとは裏腹に、本作をカルト作たらしめているのが、レースの合間に挿入される「架空の未来CM」です。銀河系全土で放送されているテレビ番組という設定のもと、ブラックユーモアに満ちたシュールな実写ムービーが唐突に流れ、プレイヤーを困惑させます。登場する8人のレーサーたちも、ステレオタイプを極端に誇張したアクの強いキャラクターばかりで、レース前の挑発や勝利デモでその個性を爆発させます。BGMにはテクノやトランスといった電子音楽が採用されており、無機質な3Dコースとサイケデリックな演出が融合した、90年代洋ゲー特有の怪しげな魅力を放つ一本です。

本作の開発元であるMindscapeは、『レゴアイランド』シリーズなどで知られるアメリカのソフトウェアメーカーです。日本での発売元となったギャガ・コミュニケーションズ(現・ギャガ)は、本来は映画配給会社ですが、PlayStation初期には本作のような洋ゲーの移植販売を精力的に行っていました。本作の持つ「サイバーパンクな世界観と悪ノリした実写映像」の組み合わせは、当時のマルチメディアブームを象徴するスタイルのひとつであり、コアなゲームファンの間で語り草となっています。

サイバースピード(中古ソフト)

駿河屋あんしん&らくらく買取