『全日本GT選手権改』は、1996年2月23日にPlayStation向けに発売されたレースシミュレーションゲームです。本作は、1994年および1995年の全日本GT選手権(JGTC)を題材としており、実在する車両・チーム・レギュレーションを忠実に再現した構成が特徴です。前作『全日本GT選手権』からの改訂版として位置づけられており、登場チーム数は6から20へと大幅に増加し、より本格的なレース体験が可能となっています。

ゲーム視点は斜め見下ろし型の2D表示を基本とし、シーンに応じて視点が動的に変化する演出が導入されています。これにより、コーナリングや追い越しの場面では臨場感のある視覚表現が実現されており、PlayStationのハード性能を活かした拡大・縮小処理も随所に活用されています。また、周辺機器「ネジコン」にも対応しており、アナログ入力による繊細なステアリング操作が可能です。

ゲームモードは、シングルレース、タイムアタック、チャンピオンシップなど複数が用意されており、プレイヤーは好みの車両とチームを選択してレースに参加できます。車両性能は実車スペックに基づいて調整されており、駆動方式や重量、最高速度などが挙動に反映される設計です。さらに、天候や路面状況の変化も再現されており、レース戦略に影響を与える要素として機能しています。

グラフィックは当時の水準において高精細な部類に属し、車両の描画やサーキットの背景表現においてもリアリティが追求されています。音響面では、エンジン音やタイヤのスキール音などがレースの臨場感を高める要素として導入されており、視覚・聴覚の両面から没入感を演出する構成となっています。全体として、実在レースの再現性と操作性の両立を目指したストイックなレースゲームとして仕上げられています。