『こちら葛飾区亀有公園前派出所 勝てば天国!負ければ地獄!両津流 一攫千金大作戦!』は、2010年6月17日にバンダイナムコゲームスからニンテンドーDS向けに発売されたバラエティゲームであり、国民的ギャグ漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(こち亀)を原作とした作品である。ジャンルは「笑える!はちゃめちゃバラエティゲーム」とされ、プレイヤーは両津勘吉となって一攫千金を目指すミニゲーム集を攻略していく構成となっている。

本作のストーリーは、両津が祖父の主催するゲーム大会に参加し、勝てば成金、負ければ極貧という極端な運命をかけて40種類以上のミニゲームに挑戦するという内容である。ミニゲームは原作やアニメの名場面・名物キャラクターをモチーフにしており、たとえば「大原部長の説教回避」や「中川の高級車レース」など、こち亀らしいドタバタとギャグが融合した構成となっている。ゲームの結果によって両津の所持金が増減し、最終的な資産によって称号(成金・極貧など)が決定される。

登場キャラクターは、両津勘吉、中川圭一、秋本麗子、大原部長、本田速人、寺井洋一、ボルボ西郷、麻里愛、御堂春、将棋刑事など、アニメ版・原作の主要キャラが多数登場し、アニメ版準拠のキャスト・演出が採用されている。なお、御堂春はアニメ未登場キャラであるが、本作では白石涼子が声を担当している。

演出面では、アニメ版のボイスやBGM、原作再現の演出が多数盛り込まれており、テレビCMやPVでは高木渉(両津役)がナレーションを担当している。また、ゲーム内での両津のセリフやリアクションも豊富で、プレイヤーの選択や成績によって多彩なリアクションが展開される。

一方で、ゲームバランスや難易度に関してはやや高めとの評価もあり、特に一部のミニゲームでは操作性や判定の厳しさが指摘されている。とはいえ、こち亀ファンにとっては懐かしさと笑いに満ちた構成となっており、シリーズの世界観を活かしたファン向けの作品として一定の評価を得ている。