『パワプロクンポケット12』は、2009年12月3日にコナミからニンテンドーDS向けに発売された野球バラエティゲームで、パワポケシリーズ第12作目です。シリーズ後期にあたる本作では、グラフィックや演出が大幅に強化され、初心者でも楽しめる「フルダケ」システムの導入など、操作性の向上が図られました。

サクセスモードは2本立てで、表サクセスは「電脳野球編」、裏サクセスは「秘密結社編」となっています。電脳野球編では、就職先が倒産しフリーターとなった主人公が、謎のオンライン野球ゲーム「ハッピースタジアム」に巻き込まれ、現実世界と電脳世界を行き来しながら仲間と共に真相を追うという、シリーズでも異色のストーリーが展開されます。野球の試合はすべてネットゲーム内で行われ、アバターを育成する形式が採用されています。

裏サクセスの秘密結社編は、中世風の世界を舞台にしたファンタジーRPG風の構成で、魔物ハンターとして事件を解決しながら選手を育成していきます。仲間との会話や選択肢によってストーリーが分岐し、複数のエンディングが用意されています。

また、前作で登場した「グッピー」モードが進化し、試合のみで選手を育成する形式に加え、チーム単位での登録や選手移動の制限など、戦略性が増しています。Wi-Fi通信による選手ダウンロードや対戦機能も搭載されており、当時のDSタイトルとしてはネットワーク要素も充実していました(※Wi-Fiサービスは2014年に終了)。

2009年のプロ野球では、セ・リーグは読売ジャイアンツがリーグ優勝、パ・リーグは北海道日本ハムファイターズが制覇。日本シリーズでは巨人が日本一に輝きました。これらの選手データは本作には直接登場しませんが、Wi-Fi経由でNPB12球団の選手をダウンロードすることが可能でした。