『CLASH KING V201 -クラッシュ・キング-』は、スピードや最速のラップタイムを競うというレースゲームの常識を真っ向から否定し、鋼鉄の車体をぶつけ合う「破壊」のみに焦点を絞った異端のレースアクション。プレイヤーは武装した「破壊車」のハンドルを握り、敵車両やコース上の障害物、さらには無関係な一般車両までも巻き込んで、ひたすらに鉄屑の山を築き上げていく。美しく舗装されたサーキットではなく、硝煙と砂埃にまみれた無法地帯で、生き残りを賭けたダーティな鉄の格闘技が幕を開ける。

勝利の鍵を握るのは、洗練されたコーナリング技術ではなく、敵を確実にクラッシュさせるための暴力的なドライビング。車体を勢いよくぶつけて相手をコース外へ弾き飛ばし、時には爆弾を押し付けて木端微塵に粉砕する。レースという体裁を取りながらも、そのプレイフィールは乱戦の格闘アクションゲームそのもの。衝突の瞬間に響く激しい破壊音と、ライバル車が派手にスクラップへと変わっていく光景が、日常では決して味わえない背徳的な爽快感となってプレイヤーの闘争本能を煽り立てる。

破壊の限りを尽くして獲得した賞金は、さらなる破壊を生み出すための資金へと還元される。ビンテージカーからスポーツカー、SUV、さらには重機に至るまで、多彩なシルエットを持つ車両を新たに購入可能。エンジンや装甲といった基本スペックだけでなく、車体を凶器へと変貌させる自由度の高いカスタマイズ機能が用意されている。敵を確実に仕留めるための装甲と質量を手に入れ、トランポリンで自車を弾ませて的を狙うといった狂気じみたスペシャルミッションへ挑む。車という概念を単なる移動手段から「走る狂器」へと再定義した、過激で破壊的なモータースポーツがここにある。

モータースポーツの歴史において、「車を意図的に破壊する」という行為は、デモリション・ダービーに代表されるように一部の熱狂的なファンを惹きつけてやまないニッチなエンターテインメントとして存在し続けてきた。本作は、そうしたアンダーグラウンドな破壊の祭典を、携帯ゲーム機の限られたスペックの中で表現しようとした意欲的なオリジナルタイトルである。

2000年代のゲーム市場では、クラッシュの快感に特化したレースゲームが一定の市民権を得ていた。本作の開発陣もその潮流を汲み取りつつ、あえてリアルなシミュレーターとしての側面を完全に捨て去っている。爆弾の押し付け合いや、トランポリンを用いた的当てといった、より破天荒でアーケードライクなギミックを大量に投入。車を兵器として扱う、独自のマッドな世界観を構築した。

美しい流線型のスポーツカーがわずか数秒で鉄屑へと変わり果て、勝者だけが新たな装甲を纏って次の戦場へ向かう。ルール無用の荒野で繰り広げられる鉄と鉄のぶつかり合いは、文明社会が覆い隠している人間の暴力的な破壊衝動を、安全なデジタル空間の中で容赦なく解放させる。

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