『狼と香辛料 海を渡る風』は2009年9月17日にアスキー・メディアワークスから発売されたニンテンドーDS専用恋愛&行商シミュレーションゲームです。原作ライトノベルの雰囲気を再現しつつ、行商と恋愛イベントを組み合わせた作品となっています。

『狼と香辛料 海を渡る風』は2009年9月17日、アスキー・メディアワークスよりニンテンドーDS専用ソフトとして発売された恋愛&行商シミュレーションゲーム。プレイヤーは行商人ロレンスを操作し、賢狼ホロと共に北を目指す旅を続ける中で、商品の売買や情報収集を行いながら資金を稼ぎ、海峡を渡る手段を探すことになります。

舞台は海辺の寒村から始まり、ホロとロレンスは渡し守の少女ルカや傷ついた老人と出会い、薬を集めるために各地を旅します。羊飼いノーラなど原作キャラクターも登場し、物語は原作の世界観を忠実に再現しながら展開されます。

本作では序盤にホロ以外のヒロインを同行させることも可能で、町を巡る中でランダムに恋愛イベントが発生します。返答によって好感度が上下し、最終的に島へ到達できるかどうか、さらに誰とエンディングを迎えるかが分岐します。原作の雰囲気を再現した商品名や町並みも評価されましたが、行商部分のバランスはやや甘いと評されました。

発売当時は原作ライトノベルの人気が高まっていた時期であり、アニメ第2期『狼と香辛料II』の放送と連動する形で注目を集めました。限定版には「ホロのふかふかDSおくるみ」やオリジナルアルバムCD、文倉十氏描き下ろし等身大ポスターなど豪華特典が同梱され、ファンアイテムとしても人気を博しました。

本作は支倉凍砂によるライトノベル『狼と香辛料』(2006年より電撃文庫刊行)を原作としています。行商人クラフト・ロレンスと賢狼ホロの旅を描いた経済ファンタジーで、商売や駆け引きを題材にした独自の世界観が人気を集めました。ゲーム版では原作の雰囲気を再現しつつ、オリジナルキャラクターやイベントを追加して物語を拡張しています。

狼と香辛料 電撃文庫