『ソニッククロニクル 闇次元からの侵略者』は、2009年8月6日にセガよりニンテンドーDS向けに発売されたソニックシリーズ初のRPG作品です。開発は『マスエフェクト』などで知られるカナダのBioWareが担当し、ソニックチームは監修として関わっています。シリーズのアクション性とは一線を画し、重厚なストーリーと戦略的なターン制バトルを軸にした異色作として展開されました。

物語は、Dr.エッグマンとの戦いを終えたソニックが、テイルスからの緊急連絡を受けて再び冒険に乗り出すところから始まります。ナックルズが謎の組織「マローダー」に誘拐され、カオスエメラルドも奪われたという報せを受けたソニックは、仲間たちと共に事件の真相を追い、やがて“闇次元”と呼ばれる異世界へと足を踏み入れることになります。

ゲームシステムは、タッチペン操作によるフィールド探索と、最大4人編成のパーティによるターン制バトルが中心。各キャラクターは攻撃・中間・サポートの3タイプに分類され、スキルや必殺技(パワームーブ)を駆使して戦います。必殺技の発動にはタイミングよくタッチ操作を行う必要があり、アクション性も一部取り入れられています。また、敵の技に対しても同様の操作で回避や妨害が可能です。

さらに、フィールド上ではキャラクター固有の特殊能力を使ってギミックを突破したり、チャオを装備品として収集・育成する要素も存在。チャオは能力補正や特殊効果を付与する装備として機能し、通信機能を使って他プレイヤーと交換することも可能です。

登場キャラクターはソニック、テイルス、ナックルズ、エミー、シャドウ、ルージュ、クリーム、ビッグ、Dr.エッグマン、オメガ、そして本作オリジナルのシェイドなど、シリーズの人気キャラが多数参戦。特にナックルズとシェイドの関係性や、古代ナックルズ族の設定が深掘りされるなど、シリーズの神話的背景にも踏み込んだ内容となっています。

なお、本作は続編の構想も発表されていましたが、後に訴訟問題などの影響で開発中止となり、シリーズ唯一のRPG作品として現在に至ります。