『藤堂龍之介探偵日記 亜鉛の匣舟 〜相馬邸連続殺人事件〜』は、アルティが開発し、fonfunより発売されたニンテンドーDS用の推理アドベンチャーゲームです。本作は『藤堂龍之介探偵日記』シリーズの第2作にあたり、断崖に建つ精神療養施設併設の屋敷「相馬邸」を舞台に、密室殺人事件の謎を追う物語が展開されます。主人公・藤堂龍之介は、依頼人の木村哲太からの要請を受けて現地を訪れ、軍医・相馬慶一郎の不可解な死の真相を探ります。

ゲームはコマンド選択式のADV形式で、登場人物への聞き込みや証拠品の探索を通じて捜査を進めます。難易度設定により、既読選択肢の色分けや進展通知などの補助機能が利用可能です。事件の進行は総当たり型の構造を採用しており、全ての選択肢を網羅することで新たな展開が開かれる仕様となっています。エンディングは2種類存在し、それぞれに異なる後日談小説が解放される構成です。

DS版ではグラフィックが新規描き下ろしとなっており、シリーズ前作『琥珀色の遺言』とは異なる雰囲気が演出されています。登場人物には、藤堂の因縁の相手・佐伯真孝をはじめ、相馬家の一族や研究員、使用人など多彩なキャラクターが登場し、複雑な人間関係と過去の因縁が物語に深みを与えています。舞台設定や演出は大正時代を背景にしつつも、現代的な言語表現が混在しており、シリーズ内でも独自の世界観を構築しています。