『桃太郎電鉄20周年』は、ハドソンが開発・発売したニンテンドーDS用ボードゲームであり、桃太郎電鉄シリーズの第18作に該当します。本作はシリーズ20周年を記念して制作されたタイトルであり、従来のゲーム性を踏襲しつつ、携帯機向けに最適化された構造が採用されています。特に、シリーズ初のオンライン対戦機能が導入された点が大きな特徴です。

ゲームは最大4人までの対戦に対応しており、ニンテンドーWi-Fiコネクションを利用した遠隔対戦が可能となっています。これにより、従来のローカル通信や1台回しプレイに加えて、全国のプレイヤーとの対戦が実現されました。プレイ年数は最大50年まで設定可能であり、短期決戦モード「桃鉄3年決戦!」も搭載されています。これらのモードは、プレイスタイルに応じた柔軟な選択が可能な設計です。

本作では、物件駅が212駅に増加し、47都道府県すべてに物件駅が配置される構成となっています。さらに、歴史ヒーローシステムが本格的に導入されており、特定の駅を独占することで実在の偉人が登場し、プレイヤーに加勢する仕組みが採用されています。これにより、戦略性とイベント性が強化され、従来作との差別化が図られています。

演出面では、DSの性能に合わせた2Dグラフィックと一部3Dモデルが併用されており、マップ表示やキャラクター演出において視認性と情報量の両立が図られています。また、タッチペン操作によるミニゲーム「桃太郎ランド」が搭載されており、短時間で遊べるサブコンテンツとして機能しています。これらの要素は、携帯機向けタイトルとしての完成度を高める設計意図に基づいています。