『藤堂龍之介探偵日記 琥珀色の遺言 西洋骨牌連続殺人事件』は、リバーヒルソフトが1988年にPC向けに開発した推理アドベンチャーゲームの移植作品であり、ニンテンドーDS版ではアルティが開発、fonfunが発売を担当しています。舞台は大正時代の洋館「琥珀館」で、貿易商・影谷恍太郎の毒殺事件を皮切りに、タロットカード(西洋骨牌)にまつわる連続殺人が展開されます。プレイヤーは私立探偵・藤堂龍之介として、複雑な人間関係と遺産相続を巡る謎に挑みます。

ゲームはコマンド選択式のADV形式を採用しており、登場人物への聞き込みや証拠品の探索を通じて事件の真相に迫ります。DS版ではタッチペンによる手書きメモ機能や、進展通知機能などが追加されており、初心者でも進行しやすい設計となっています。また、後日談として携帯アプリ版の『虚妄の報い』が収録されており、本編で語られなかった背景や人物の補完が可能です。

登場人物は影谷家の一族を中心に多数登場し、それぞれが事件に関与する可能性を秘めています。プレイヤーは証拠品の分析や容疑者の絞り込みを行い、最終的に真犯人を自白に追い込む必要があります。セピア調のグラフィックやFM音源を活かしたBGMが、大正浪漫の雰囲気を演出しており、シリーズの中でも特に世界観構築に注力された作品です。