『VitaminY』は、超絶な美貌と絶望的な学力を併せ持つ問題児集団「B6」を指導する新米教師となり、聖帝学園の文化祭を成功へと導くコミカルなアドベンチャー。本来の出し物である「喫茶店」の準備を放り出し、巨額の私財を投じて勝手に学園内へ特設アトラクションを建設してしまったB6たち。プレイヤーは担任として彼らのお祭り騒ぎに巻き込まれながら、事態の収拾を図るべく奔走する。

ゲームの進行は、B6の中からパートナーを一人選び、全7章のストーリーを読み進めながら各所に配置されたミニゲームを攻略していくサイクルを採用。収録されたミニゲームは全26種類に及び、反射神経を問うものから連打アクションまで多岐にわたる。各キャラクターの破天荒な生態がそのままルールに落とし込まれており、彼らの奇行をミニゲームのスコアとして物理的にねじ伏せ、あるいは協力してクリアを目指すというドタバタ劇が展開される。

これらの課題を乗り越えて物語を進めることで、新規のイベントグラフィックが次々と解放されていく。最大の目的となるのが、DSのタッチスクリーンを活用した「イベグラタッチボイス」機能の堪能。一枚絵の特定の箇所をペンで触れることで、専用の録り下ろしボイスが再生される仕組みだ。ミニゲームの反復という作業的な側面を持ちつつも、その対価としてキャラクターの新たな反応や甘いセリフを引き出せる、ファンディスクとしての明確な報酬設計が機能している。

『VitaminX』は、ディースリー・パブリッシャーが展開した女性向け恋愛アドベンチャーの金字塔。「顔は良いが絶望的に頭が悪い」という問題児集団に対し、ツッコミとスルーを使い分けて指導していくという、従来の品行方正な枠組みをぶち壊したギャグテンポが熱狂的な支持を集めた。本作のようなファンディスクの展開に留まらず、キャラクターソングの発売、大規模な声優イベントの開催、さらには舞台化や続編シリーズ『VitaminZ』『VitaminR』の制作など、長年にわたり多角的なメディアミックスを展開。「おバカなイケメンを愛でる」というジャンルを確立し、2000年代後半の市場を牽引した一大プロジェクトの熱気を記録した一本である。

VitaminY

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