『見ながら折れる DSおりがみ』は、日本の伝統文化である「折り紙」の折り方を、携帯ゲーム機を使って分かりやすく解説する実用ナビゲーションソフトです。2007年8月9日にTDKコアからニンテンドーDSで発売されました。本作は、折り紙作家の新宮文明氏が主宰する人気サイト「おりがみくらぶ」の全面監修を受けており、定番の「折り鶴」や「兜」といった伝承折り紙から、可愛い動物や恐竜といった創作折り紙まで、全100種類ものレシピを収録しています。プレイヤーはDS本体を指南書代わりにして、実際に手元の紙を折って作品を完成させます。
このソフトの最大の特徴は、両手がふさがっている状態でもページ送りができる「音声認識機能」です。DSのマイクに向かって「つぎ」「もどる」「もういちど」と声をかけるだけで、画面上の工程を進めたり戻したりすることができます。解説画面は静止画ではなくアニメーションで表示されるため、紙を折るタイミングや裏返す動作などが直感的に理解しやすくなっています。また、アニメーションの再生速度も3段階で調整可能で、難しい工程も自分のペースでじっくりと確認できる親切設計がなされています。
実用ツールとしての完成度は高く、本を開いたまま固定する手間が省ける点や、動画で細部を確認できる点は、紙の教本にはないデジタルならではの利点です。しかし、あくまで「折り方のデータ集」であるため、ゲーム的な攻略要素やストーリー性は皆無であり、肝心の折り紙用紙もソフトには同梱されていないため(初回特典などでシールが付属することはありましたが)、自分で用意する必要があります。「ゲーム機で遊ぶ」というよりは、「動く電子書籍」として割り切って活用すべきタイトルです。
ゲーム内で折り方をマスターしたら、次は素材にこだわって作品のグレードを上げてみるのが楽しみの一つです。100円ショップの紙ではなく、美しい柄の入った友禅和紙や、耐久性のあるタント紙を使用すれば、同じ折り鶴でも芸術品のような仕上がりになります。完成した作品を飾るためのコレクションケースを用意すれば、デスク周りが小さな美術館へと変わります。













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