『クイズ&タッチけんさく 虫図鑑DS 〜虫をさがそう・しらべよう〜』は、約900種類に及ぶ昆虫の生態を美麗な写真とともに収録したデジタル昆虫図鑑。2007年7月12日にスパイクからニンテンドーDSで発売され、携帯機の機動性を活かして屋外での昆虫採集や学習に活用できる実用ソフトとして親しまれた。

本作は、多摩動物公園昆虫館の創設者である昆虫学者・矢島稔氏が監修を務めており、日本国内の昆虫786種と海外の昆虫100種の計886種を網羅している。最大の特徴は、DSのタッチパネルを活かした「絞り込み検索」機能にある。虫の名前が分からなくても、形、色、大きさ、場所、季節、地域といった目に見える特徴のアイコンをタッチしていくだけで、直感的に目的の虫を特定することが可能。

各昆虫の個別ページでは、専門のカメラマンによって撮影された鮮明な生態写真とともに、詳しい特徴や飼育方法、豆知識が解説されている。オスとメスで姿が異なる種や、幼虫から成虫への変化なども個別の写真で確認できるほか、セミやコオロギなど一部の昆虫については、実際の鳴き声を音声データで再生して聴き比べることができる。

学習要素も非常に充実しており、昆虫に関する知識を問う「虫クイズ」は3,000問以上の膨大なボリュームを誇る。初級から上級まで難易度が分かれており、クイズを解き進めることで称号が上がっていくため、遊びながら自然と専門知識を身につけられる。また、虫をモチーフにした4種類のミニゲームも収録されており、小さな子供でも飽きずに昆虫の世界に触れられるよう配慮されている。

図鑑としての利便性を追求し、従来の厚く重い紙の図鑑を持ち歩く手間を解消した本作は、夏休みの自由研究やキャンプ、公園での散策に最適な「持ち運べる知恵袋」となっている。絶滅危惧種や地球環境に関する記述も含まれており、単なる生物学的データに留まらない、自然保護の観点からも価値のある教育ツールとして仕上げられている。

『クイズ&タッチけんさく 虫図鑑DS 〜虫をさがそう・しらべよう〜』は、特定の書籍や映像作品を原作とせず、自然界に息づく昆虫たちの生態を正確な学術データに基づいてデジタル化した作品。DSの「タッチ」「携帯性」「二画面」という特性を、伝統的な学習図鑑の概念と融合させています。

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