『川のぬし釣り こもれびの谷せせらぎの詩』は、2007年6月28日にマーベラスエンターテイメントよりニンテンドーDS向けに発売された「ぬし釣り」シリーズの一作であり、ジャンルは“大自然ふれあいRPG”と銘打たれている。シリーズの中でも特に妖怪や自然との共生をテーマに据えた異色作で、釣りだけでなく昆虫採集や花摘み、妖怪との交流といった要素が盛り込まれているのが特徴である。

物語は、主人公「せんり」が、眠り続ける病にかかった妹を救うため、その薬の材料となる「川のぬしのウロコ」を求めて旅に出るという構成である。旅の途中では、さまざまな妖怪たちと出会い、彼らと協力しながら釣りや探索を進めていく。お供となる3匹の妖怪は育成が可能で、釣った魚を与えることで成長し、能力が変化していく。

釣りはタッチペンを使った直感的な操作で行われ、リールを回すように画面をなぞることで魚を引き寄せる。魚の種類はステージごとに異なり、全9ステージにわたって多彩な魚種が登場する。また、妖怪イベントやミニゲーム、カード収集、図鑑コンプリートといったやり込み要素も豊富に用意されている。

演出面では、『牧場物語』シリーズで知られるまつやまいぐさがキャラクターデザインを担当しており、温かみのあるビジュアルと幻想的な世界観が融合している。虫の音や川のせせらぎといった環境音も丁寧に作り込まれており、癒し系の雰囲気が全体を包んでいる。

Wi-Fi通信による最大4人同時の釣り対戦にも対応していたが、現在はサービス終了により利用不可となっている。