『スーパーロボット大戦W』は、2007年にニンテンドーDS向けに発売されたシミュレーションRPGであり、携帯機スパロボの中でも特に完成度の高い作品として知られています。タイトルの「W」は、DSの“ダブルスクリーン”と、物語が“二部構成”で展開されることに由来しており、プレイヤーは宇宙を揺るがす二つの物語を体験することになります。
本作の最大の特徴は、参戦作品の多くが続編や姉妹作を含む構成となっており、シリーズ初参戦の『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』『宇宙の騎士テッカマンブレードII』『デトネイター・オーガン』『百獣王ゴライオン』などを含む全19作品が登場。特に『テッカマンブレード』と『オーガン』のクロスオーバーや、『ガオガイガー』と『ゴライオン』の因縁付けなど、作品間の関係性を深く掘り下げたシナリオ構成が高く評価されています。
プレイヤーは、宇宙を旅する運び屋一家「ヴァルストークファミリー」の一員である主人公・カズマ・アーディガンとして、様々な勢力や異星文明と対峙しながら、家族や仲間との絆を深めていきます。本作のオリジナルキャラクターたちは“家族”というテーマを軸に描かれており、従来のスパロボとは一線を画す温かみと人間味にあふれたドラマが展開されます。
ゲームシステム面では、DSの2画面を活かしたインターフェースや、パートナーバトルシステム、マルチコンボ、スキルパーツなどが導入され、戦術性と快適性の両立を実現。戦闘アニメーションも携帯機とは思えないほど滑らかで迫力があり、特にジェネシックガオガイガーやヴァルザカードの演出はシリーズ屈指の名シーンとして語り継がれています。
『スーパーロボット大戦W』は、クロスオーバーの妙味、戦略性、キャラクターの魅力が三位一体となった傑作であり、今なお多くのファンに愛される名作です。
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