『アルティメット スパイダーマン』は、マーベルコミックの「アルティメット・ユニバース」を舞台にしたスパイダーアクションゲームであり、従来の映画版とは異なるコミック準拠の世界観で構成されています。ニンテンドーDS版では、スパイダーマンとヴェノムの両方を操作可能な構成が採用されており、ヒーローとヴィランの視点を交互に体験できる設計が特徴です。ストーリーはピーター・パーカーとエディ・ブロックJr.の因縁を軸に展開され、シンビオートの暴走によってヴェノムが誕生する過程が描かれています。

ゲームプレイは箱庭型の3Dアクションで構成されており、マンハッタンやクイーンズ地区を舞台に、ミッション形式で進行します。スパイダーマンはウェブ・スイングやウェブ・アタックを駆使して移動・戦闘を行い、ヴェノムは触手攻撃や市民吸収による体力回復など、異なるアクションスタイルが導入されています。特にヴェノムは、何もしないと体力が減少する仕様が採用されており、敵や市民を吸収することで生存を維持する設計が施されています。

DS版ではタッチスクリーンを活用した操作系統が導入されており、触手攻撃やジャンプなどのアクションが直感的に行えるよう設計されています。また、DSワイヤレス通信による2人対戦モードも搭載されており、スーパーヒーロー同士のバトルが可能です。日本語吹き替えにも対応しており、スパイダーマンの軽口やメタ的ジョークなど、キャラクター性を強調する演出が随所に盛り込まれています。

本作は、アルティメット・ユニバースの設定に基づいているため、従来の映画版やアース616とは異なるキャラクター背景やストーリー展開が採用されています。そのため、マーベル作品に精通したプレイヤー向けの構成となっており、ウルヴァリンやヒューマントーチなどの他ヒーローも登場しますが、ゲーム内での説明は最小限に留められています。ヴェノムの操作性や悪行描写など、ヴィラン視点のプレイ体験が強調された設計が本作の大きな特徴です。