『紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-』は、謎の大災害によって廃墟と化した1907年のニューヨークを舞台にしたアドベンチャーゲームです。何者かの声に導かれて地上を探索する女性「エリィ」と、紫色の影に沈んだ地下世界で1両だけの地下鉄に乗って旅をする少女「リリィ」という、二人の視点で物語が進行します。「オズの魔法使い」や「不思議の国のアリス」を彷彿とさせる童話的なモチーフに、蒸気機関が発達したスチームパンクの要素が混ざり合い、美しくもどこか邪悪なダークファンタジー世界を構築しています。

ゲームはテキストを読み進め、物語の要所で提示される選択肢によって展開が変化していくオーソドックスなノベル形式を採用しています。地上世界での静寂に満ちた探索と、地下世界での幻想的な冒険が交互に描かれ、二つの異なる物語が徐々に交錯していきます。複雑なシステムやアクション要素は排除されており、詩的で独特なリズムを持つ文章と、重厚なBGMが織りなす圧倒的な雰囲気に身を委ねる読書体験をもたらします。

本作は、PC向けに発売された原作をコンシューマー機へと移植したタイトルです。PSPとXbox 360への展開にあたり、シナリオライターである桜井光氏の筆によって物語の大幅な加筆と修正が行われました。それに伴い、世界観を補完する新規イベントCGが多数追加されています。家庭用ゲーム機という新たなプラットフォームに合わせて表現の適正化を図りつつも、原作が持つ退廃的な空気感を損なうことなく、物語をさらに深く掘り下げた完全版としての役割を果たしています

ライアーソフトの看板シリーズである「スチームパンクシリーズ」の第5作目にあたるタイトルであり、同ブランド初のコンシューマー移植作という歴史的な意義を持っています。桜井光氏が綴るポエティックなテキストと、Rita氏が歌い上げる重厚な主題歌、AKIRA氏の美麗なイラストが三位一体となり、熱狂的なファンを生み出しました。PC向けのアダルトゲームを起源としながらも、その極めて文学的でダークな世界観は家庭用ゲーム機のユーザー層にも広く受け入れられ、独自のカルト的な人気を確立した一作です。

紫影のソナーニル Refrain -What a beautiful memories-

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