2013年8月29日にアルケミストから発売された『咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A Portable』。小林立氏の人気漫画を原作としたアニメ版の展開に合わせ、奈良県代表・阿知賀女子学院を主人公に据えた対局麻雀アドベンチャーです。前作の清澄高校を中心とした物語とは異なる視点で、全国大会進出を目指す少女たちの激闘をPSPの画面上で再現しています。
ゲームの核心は、原作の最大の特徴である「キャラクターごとの特殊能力」を反映した対局システムにあります。手牌にドラが集まる松実玄の能力や、一巡先を予知する千里山女子の園城寺怜のスキルなど、麻雀のセオリーを覆す強力な個性が火花を散らす「超人麻雀」が楽しめます。アドベンチャーパートではアニメのカットシーンを多用し、フルボイスで進行。対局中も特定の条件でド派手なカットイン演出が挿入され、対局を盛り上げます。
総勢20名以上のキャラクターを操作できるボリューム感は魅力ですが、特殊演出が頻繁に入るため、純粋に麻雀のスピード感を求めるプレイヤーにとってはテンポが重く感じる実態もあります。また、能力の有無による格差が非常に激しいため、対等な実力勝負よりも「いかに自分の土俵に持ち込むか」を楽しむキャラゲーとしての側面が強い一作。それでも、阿知賀編ならではの熱い人間ドラマと、理屈を超えた和了りの快感は本作独自の持ち味と言えます。
本作の原作である『咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A』は、かつての友人である原村和と再会するために、廃部寸前だった麻雀部を再興して全国大会を目指す少女たちの物語です。本編の裏側で進行するもう一つの激闘が描かれており、千里山女子や新道寺女子といった強豪校との交流や対決は、本編に劣らぬドラマチックな展開を見せます。アニメ版では、Studio五組による躍動感ある対局描写と、少女たちのひたむきな想いが重なり合う演出が大きな話題を呼びました。
ゲームで彼女たちの勇姿を体験した後は、その熱いドラマの全貌をアニメ映像で振り返るのが最も贅沢な楽しみ方です。阿知賀編全15話からなる一挙放送版や劇場公開された特別版など、対局の緊張感と感動が凝縮された映像作品は、ゲームプレイの記憶をより鮮明なものに変えてくれます。お気に入りのキャラクターが動く姿や、決定的な一打を放つ瞬間のカタルシスを、ぜひ高画質の映像でも堪能してみてください。













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