『裏語 薄桜鬼』は、2013年6月27日にアイディアファクトリー(オトメイト)よりPlayStation Portable用ソフトとして発売された女性向け幕末ドラマティックアドベンチャーゲームであり、新選組を主役とした『薄桜鬼』本編とは対照的に、倒幕派である攘夷志士たちの視点から幕末の動乱を描いた外伝的作品です。プレイヤーは剣術道場の娘である主人公・霧島梢となり、謎の白髪の怪物たちに両親を殺されたことをきっかけに、その仇を討つために激動の歴史の裏側へと足を踏み入れます。
本作の最大の特徴は、高杉晋作や桂小五郎、岡田以蔵、グラバーといった、本編では敵対勢力や脇役として登場していた歴史上の人物たちが攻略対象となる点です。彼らと共に「奇兵隊」などの活動に関わりながら、倒幕を目指す彼らの信念や生き様に触れ、新選組とは異なる視座から見たもう一つの幕末史が紡がれます。
物語の根底には、『薄桜鬼』シリーズ共通の設定である「羅刹(らせつ)」の存在が深く関わっています。主人公が追う両親の仇である白髪の怪物が羅刹であることが示唆され、事件の真相を追う過程で、新選組の隊士たちとも敵として、時には協力者として遭遇することになり、本編の裏側で起きていた事件が明らかにされます。
後に要素を追加したPlayStation Vita版『裏語 薄桜鬼 ~暁の野分~』も発売され、後日談などが補完されています。信念のために戦う男たちの熱いドラマと、復讐を誓った少女が彼らとの愛を通じて新たな道を見つける成長の物語が、シリアスかつドラマチックに体験されます。
本作は、大ヒット乙女ゲーム『薄桜鬼』シリーズのスピンオフタイトルとして制作されたオリジナル作品です。新選組を主軸とした本編の世界観や設定(羅刹や変若水など)を共有しつつ、視点を敵対勢力である「倒幕派」側に移し、本編とは異なる角度から幕末の物語を再構成したタイトルとして展開されています。












コメントを追加