『境界線上のホライゾン PORTABLE』は、中世日本をベースにした架空の世界「極東」を舞台に、航空都市艦「武蔵」を駆って世界各国と覇権を争う学園戦国RPG。2013年04月25日に角川ゲームスからPlayStation Portableで発売されました。本作は、原作者である川上稔氏が企画原案・監修・シナリオ制作を全面的に手掛け、開発も氏が所属するテンキーが担当するという、原作ファンにとってこれ以上ない理想的な体制で制作されています。アニメ第1期・第2期のストーリーをベースにしつつ、アニメでは描かれなかったエピソードや完全新規のオリジナルシナリオが膨大なボリュームで展開されます。

ゲームプレイは、拠点となる航空都市艦「武蔵」を管理・運営しながら、各地で発生するミッションをクリアして目的地を目指すシミュレーションRPG形式で進行します。ミッションには「戦闘」「交渉」「採取」などの種類があり、プレイヤーは総勢80名以上のキャラクターから最大4人のパーティを編成して挑みます。戦闘はターン制のコマンドバトルを採用しており、キャラクターの「スタイル(服装)」を変更することでステータスや使用スキルが変化するジョブチェンジシステムが実装されています。また、武蔵の船体パーツを換装して強化したり、食料や資源を管理したりするリソースマネジメント要素も攻略の鍵となります。

本作の特徴は、原作小説の持ち味である「緻密すぎる設定」と「膨大なテキスト量」をゲームという媒体で忠実に再現している点です。川上稔氏書き下ろしのシナリオは、原作未読のプレイヤーを置いてきぼりにするほどの情報量を誇りながらも、ファンにとっては垂涎の内容となっています。登場キャラクターはアニメ版と同じ豪華声優陣によるフルボイスで喋り、特定の組み合わせで発生する掛け合いやイベントも多数収録されています。「川上稔の世界」にどっぷりと浸り、武蔵の住人として歴史の再現と改変に挑む、没入度の高い作品として構築されています。

原作ライトノベル『境界線上のホライゾン』は、川上稔氏による「都市シリーズ」の一つであり、その分厚さと設定の細かさで知られる大作です。本作は、著者が所属するゲーム制作会社テンキーが開発を行うという、メディアミックス作品としては極めて稀有な例であり、原作の空気をそのままゲームに落とし込むことに成功しています。膨大な設定資料や用語に圧倒されたい方、そして川上稔氏の描く壮大な世界観をより深く知りたい方は、原作小説(通称:鈍器)を手に取ることで、その深淵を覗き見ることができます。

境界線上のホライゾン (電撃文庫)

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