『死神稼業〜怪談ロマンス〜』は、人間と妖怪が共存する不思議な街を舞台に、昼は高校生、夜は「死神」として働く少女の二重生活を描く和風ファンタジー・恋愛アドベンチャーゲーム。2013年03月28日にQuinRoseからPlayStation Portableで発売されました。本作は、妖怪たちが通う「西乃高校」に通いながら、家業である死神の仕事をこなす主人公・黒門澄(くろもん すみ)の視点で物語が進行します。彼女は影を操る「影女」の一族であり、育ての親で死神会社の社長でもある黒門蓮司や、ライバル会社の社員たちとの交流、そして殺したはずの人間が生きていたという謎を巡るミステリーが展開されます。

ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなノベル形式です。死神としての任務を遂行するシリアスなパートと、個性的な妖怪たちとの学園生活を描くコミカルなパートが交互に描かれます。プレイヤーの選択によって、幼馴染や先輩、あるいは敵対する組織の死神といった攻略対象キャラクターとの親密度が変化し、甘い恋愛エンディングから、QuinRose作品特有のダークで衝撃的な結末まで多岐にわたるエンディングへと到達します。

本作の独自性は、死神という職業を「会社組織」として捉えたユニークな世界観と、妖怪たちのシビアな価値観が混在するシナリオにあります。主人公は優秀な死神として冷徹に仕事をこなす一方で、普通の恋に憧れる少女としての一面も持っています。中井和哉氏や石田彰氏といった豪華声優陣が演じるキャラクターたちは、一見爽やかでも裏に深い闇や執着を抱えており、単なる学園恋愛ものではない、死と隣り合わせの緊張感が漂う和風ロマンが構築されています。

開発元のQuinRose(クインロゼ)は、童話や怪談をモチーフにした乙女ゲームで独自の世界観を築いたブランドです。本作は「怪談ロマンス」シリーズの1作であり、後に続編『死神所業』も発売されました。日本の妖怪や死生観を現代風にアレンジした設定に興味を持った方は、京極夏彦氏の小説や、妖怪を扱った民俗学の書籍を読むことで、ゲームの背景にある伝承の奥深さをより深く理解することが可能です。

死神の精度 (文春文庫)

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