『HEROES’ VS』は、2013年にバンダイナムコゲームス(バンプレストレーベル)よりPlayStation Portable向けに発売された対戦型アクションゲームです。本作は「コンパチヒーローシリーズ」の一作として位置づけられており、ウルトラマン・仮面ライダー・ガンダムの3大ヒーロー作品から善悪両陣営のキャラクターが参戦するクロスオーバー構成が採用されています。シリーズ初のキャラクターボイス対応作品であり、原作キャストによる音声演出が導入された点も特徴です。

ゲームシステムは、1対1の格闘アクションにカードバトル要素を融合させた「ジャッジメントシステム」を中心に構成されています。プレイヤーは通常攻撃やSPクラッシュを駆使しながら、手札のカードを状況に応じて使用することで戦況を有利に進めることが可能です。カードには攻撃強化、回復、妨害など多彩な効果が設定されており、戦略性と瞬発力の両立が求められる設計です。また、キャラクターごとに異なる戦闘スタイルが設定されており、ウルトラマンは溜め攻撃、仮面ライダーは近接コンボ、ガンダムは遠距離射撃に特化しています。

登場キャラクターは、各シリーズから3作品ずつ選出され、正義側(JUSTICE)と悪役側(VICE)に分かれて計18人が参戦します。さらに、仮面ライダーフォーゼ、ウルトラマンサーガ、ストライクフリーダムガンダムがゲストキャラクターとして登場し、初回特典によって即時使用可能となる仕様も導入されています。各キャラクターには独自のストーリーモードが用意されており、総プレイ時間は100時間を超えるボリュームを誇ります。

演出面では、主題歌「Dead or TwinAlive」(鵜島仁文&石原慎一)をはじめ、各キャラクターの戦闘BGMをカスタムサウンドトラック機能で変更可能な設計が施されています。また、フィニッシュ必殺技には原作再現演出が多数盛り込まれており、ウルトラマンノアやファングジョーカーなどの特殊形態が登場する演出も存在します。格闘ゲームとしての完成度とキャラゲーとしての演出力を両立させた構成であり、コンパチヒーローシリーズの新機軸を示す作品と位置づけられます。