『屋根裏の彼女』は、吸血鬼の呪いによって「永遠の命」を得てしまった少年の苦悩と恋を描いた学園純愛アドベンチャーゲームです。オカルト好きの平凡な学生だった主人公は、ある夜にヴァンパイア同士の凄惨な戦いを目撃してしまい、瀕死の重傷を負います。彼を救うため自らの血を与えたのは、人間に憧れる吸血鬼の少女フランチェスカ。彼女が主人公の家の「屋根裏」に居候することになったのを契機に、穏やかな学園生活と吸血鬼の業が交差する数奇な運命が幕を開けます。
ゲームはテキストを読み進め、物語の途中で現れる選択肢によってヒロインたちとの結末が分岐するオーソドックスなシステムを採用しています。意図せず人間を辞めることになってしまった主人公の絶望や、それでも日常を取り戻そうと足掻く心理描写が、ヒロインたちとの交流を通じて丁寧に綴られます。同族から追われるフランチェスカを匿いながら人間関係の距離感を推し量っていく緊張感と、学園の友人たちが見せる温かな日常の対比が、プレイヤーの感情を深く揺さぶります。
本作は、名作PCゲーム『こなたよりかなたまで』と世界観を共有する続編的な立ち位置でありながら、家庭用ゲーム機であるPSPの完全新作として先行発売されました。前作が「永遠の命を得るか否か」を問う物語であったのに対し、本作は「永遠の命を得てしまった後」を描くという対照的なテーマを掲げています。のちに新たなヒロインやシナリオを追加したPC用アダルト版『こなかな2 Konatayori Kanatamade II』が発売されており、コンシューマー発祥の美少女ゲームとして数奇な展開を見せたタイトルでもあります。
美少女ゲームブランドF&C FC01が手掛けた物語を、PC市場を経由せずに直接コンシューマー市場へ投入した異色の経歴を持つ作品です。不老不死という重いテーマを扱いながらも、ヒロインたちとの純愛を正面から描く手堅いシナリオが展開。さらに、I’veが音楽プロデュースを手掛け、KOTOKOが歌うオープニングテーマ「soupir d’ange」が物語の幻想的な雰囲気を引き立てており、音楽面からも作品の没入感を大きく高めています。













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