『BLACK WOLVES SAGA -Last Hope-』、2012年12月20日にアイディアファクトリー(オトメイト)から発売されたPlayStation Portable対応のダークゴシックファンタジーアドベンチャーゲーム。PC版『-Bloody Nightmare-』と対をなす作品であり、美しいファンタジー世界を蝕む狂気と、種族間の軋轢に翻弄される少女の過酷な運命を描いた物語となっています。

物語の舞台は、四方を豊かな自然に囲まれた美しい国「ウェブリン王国」。しかし、この国には「狂狼病(ゾディバ)」と呼ばれる致死性の伝染病が蔓延し、その原因とされる「狼種」は駆逐され、恐怖と疑心暗鬼が人々を支配していました。塔の中に幽閉されていた主人公・フィオナは、ある事件をきっかけに外の世界へと飛び出し、狼種の青年や、彼女を守ろうとする猫種の騎士、そして狂気に満ちた王族たちとの愛憎劇に巻き込まれていきます。

本作は、Rejetとオトメイトのコラボレーション企画として、PC版とPSP版で異なる視点と攻略対象を描くという試みがなされました。PSP版『-Last Hope-』では、PC版では攻略できなかった狼種のラスや猫種の騎士たちにスポットが当てられており、絶望的な状況下での「希望」や「切なさ」に重きを置いたシナリオが展開されます。

黒裄氏による退廃的で美しいイラストと、残酷なまでの運命描写。単なる恋愛ゲームでは味わえない、胸を抉るようなシリアスなドラマと、血塗られた愛の結末がプレイヤーに深い爪痕を残します。

本作は、Rejetとオトメイトによる連動プロジェクト作品です。先行して発売されたPC版『BLACK WOLVES SAGA -Bloody Nightmare-』が、狼種の王族による狂気と執着を描いた「絶望」の物語であったのに対し、本作は「希望」をテーマに対となる物語を描いています。両作をプレイすることで、ウェブリン王国を巡る悲劇の全貌が明らかになる構成となっています。

BLACK WOLVES SAGA