『そらいろ Portable』は、幼馴染たちとの忘れられないひと夏と、積み重ねられた思い出をテーマにした「究極の幼馴染みゲーム」を追求した恋愛アドベンチャー。2012年9月6日にサイバーフロントからPlayStation Portableで発売されました。

物語の舞台は、海に囲まれた自然豊かな田舎町。主人公の健士は、幼い頃に出会った3人の少女たちと共に成長し、現在は高校生として穏やかな日々を過ごしています。本作は、彼らが子供時代に交わした約束や共有した時間が、10年後の現在の関係にどのように影響を与えるかを軸に描かれます。プレイヤーは過去の回想と現在を行き来しながら、彼女たちとの絆を再確認していくことになります。

本作の最大の特徴は、物語序盤の「子供時代」での選択や過ごし方によって、成長したヒロインたちの性格や物語の分岐、さらには彼女たちが住む「世界(ワールド)」そのものが劇的に変化するシステムです。隣家の幼馴染であるつばめ、献身的な妹的存在の愛衣、そして賑やかな後輩の花子。彼女たち3名に対し、それぞれ異なる3つの性格パターン(計9通りの個別ルート)が用意されており、プレイヤーの選択次第で全く異なる恋愛模様が展開される重層的な構造となっています。

シナリオ面では、ねこねこソフトらしい情緒豊かな演出と、どこか懐かしさを感じさせる夏の情景描写が魅力です。他愛のない日常のやり取りから、秘められた想いが明かされるシリアスな局面まで、丁寧なテキストによって綴られます。純愛を主眼に置きつつも、幼馴染という近すぎる関係ゆえの葛藤や切なさが、透明感のあるビジュアルと共に構築されています。

PSPへの移植にあたっては、高解像度化されたイベントCGや演出の強化に加え、PSP版オリジナルの新規シナリオが4本追加されました。「お風呂編」や「耳かき編」といった、ヒロインたちとのより親密な日常を掘り下げるエピソードが、新規CGと共に収録されています。16:9のワイド画面表示にも対応しており、携帯機ならではの手軽さで、厚みのある幼馴染ストーリーを余すところなく体験できる仕様となっています。

『そらいろ Portable』は、2009年に「ねこねこソフト」より発売されたPC用美少女ゲーム『そらいろ』を原作としています。同ブランドの代表作『みずいろ』の精神的続編として位置づけられ、幼馴染との恋愛に特化した純愛物語として高い支持を得ました。

そらいろ Portable