『機動戦士ガンダムAGE ユニバースアクセル/コズミックドライブ』は、2012年8月30日にバンダイナムコゲームスからPlayStation Portable向けに発売されたRPGで、開発はレベルファイブが担当しました。TVアニメ『機動戦士ガンダムAGE』を原作とし、フリット、アセム、キオの三世代にわたる100年戦争の物語を、アニメ放送終了とほぼ同時期に完全収録した構成となっています。
ゲームはアクションRPGではなく、素材収集とパーツ開発を軸としたカスタマイズ型の戦術RPGで、戦闘システムやUIは同社の『ダンボール戦機』シリーズに近い設計です。プレイヤーはAGEシステムを用いて新たなウェア(装備)や武器を開発し、各世代の主人公たちを操作して物語を進めていきます。戦闘はリアルタイムアクションに近いテンポで展開され、ウェア換装やバトルスキルの発動など、戦術的な選択肢も豊富です。
本作には『UNIVERSE ACCEL』とのバージョン違いが存在し、『COSMIC DRIVE』では『SEED』『SEED DESTINY』『00』などのアナザー作品からゲスト機体が登場するクロスプレイミッションが収録されています。これにより、AGE世界のMSと他作品のMSが共演する夢の対決が実現しています。また、ゲームオリジナルのウェアやMSも多数登場し、AGE-1レイザーやAGE-2アルティメスといった新規デザインが後に模型誌やプレミアムバンダイで商品化されるなど、メディアミックス展開も行われました。
ストーリー面では、アニメ本編の補完が随所に施されており、たとえばアセム編の学園生活や、フラムがゼハートに想いを伝える場面など、TVでは描かれなかったエピソードが追加されています。さらに、ゲームオリジナルの「青年フリット編」では、23歳となったフリットの戦いが描かれ、彼の思想形成やエミリーとの関係性にも踏み込んだ内容となっています。
一方で、イベント戦闘では使用ウェアが固定される場面が多く、自由な換装が制限される点や、周回プレイが存在しないこと、素材収集の作業感が強いことなどが指摘されることもあります。また、設定上最強とされるAGE-FXがゲーム内ではレギルスに性能で劣るなど、バランス面での違和感も一部に見られます。
それでも、アニメの全編を補完しつつ、オリジナル要素とクロスオーバー要素を融合させた本作は、ガンダムAGEという作品を総括するゲームとして高い完成度を誇ります。特に、描き下ろしアニメムービーのクオリティや、ゲームオリジナルの演出は、ファンにとって大きな魅力となっています。
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