『あさき、ゆめみし』は、人と妖魔が暗闘を繰り広げる閉鎖的な集落を舞台に、退魔師の少女の過酷な運命と恋を描く和風伝奇恋愛アドベンチャーゲーム。2011年04月28日にQuinRoseからPlayStation Portableで発売されました。本作は、2008年にPCゲームブランド澪(MIO)から発売された同名タイトルの移植版です。主人公の伊織沙耶は、退魔師の一族に生まれ、妖魔「カガチ」を討つ使命を帯びて、掟に縛られた土地「伊那砂郷(いなさごう)」を訪れます。
ゲームプレイは、テキストを読み進めながら選択肢を選んで物語を分岐させるオーソドックスなノベル形式で進行します。物語は章立てで構成されており、マップ画面での移動先選択や、会話中の選択肢によって、攻略対象キャラクターとの親密度や物語の展開が変化します。退魔師として妖魔を殲滅する冷徹なルートや、敵対するはずの妖魔と心を通わせるルートなど、主人公の立場と心情が大きく揺れ動くマルチエンディング方式が採用されています。
本作は、純和風の重厚な世界観と、敵対関係にあるキャラクター同士の緊迫したドラマが特徴です。攻略対象には、同じ退魔師の協力者だけでなく、討伐対象である妖魔の長や、人間に化けて暮らす妖魔なども含まれています。PSP版では、PC版では攻略できなかったサブキャラクター「安綱」のルートが新たに追加されたほか、スクリーンショット機能などが搭載されており、美しくも禍々しい伝奇ロマンの世界を携帯機向けに最適化された環境で読み進めることが可能です。
原作の澪(MIO)は、和風ファンタジーやシリアスなシナリオを得意とする乙女ゲームブランドです。本作のような「退魔師」や「村の因習」をテーマにした伝奇物語に興味を持った方は、京極夏彦氏の「百鬼夜行シリーズ」や、民俗学に基づいた怪異譚を読むことで、ゲームの背景にある日本的な土着信仰や妖怪の世界観をより深く理解することができます。













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