『ガチトラ! 〜暴れん坊教師 in High School〜』は、破天荒な元極道が熱血教師となり、言葉と拳で生徒の悩みを打ち砕く学園アクションアドベンチャーです。2011年4月21日にスパイクからPlayStation Portableで発売されました。
物語の主人公は、伝説の極道「人食いのトラ」こと梶虎男です。孤児だった自分を育ててくれた組長の命を救うため、紆余曲折を経て龍ヶ峰学院の教師として赴任することになります。担当する3年D組には、いじめや不登校、家庭の問題など、現代社会の闇を抱えた個性豊かな生徒たちが揃っており、虎男は教師としての公務を超えた型破りな方法で、彼らの心を救うための戦いに身を投じていきます。
本作の象徴的なシステムが、生徒の悩みと精神世界で対峙する「ソウルシャウト」です。これは生徒の心の壁を破壊する激論バトルで、相手が放つ否定的な言葉をタイミング良く弾き返したり、適切な「言葉の弾丸」をぶつけたりすることで、閉ざされた心を文字通り「裸」にして更生へと導きます。説得という行為をシューティングやアクションの要素に落とし込んだ独創的な演出が、物語の山場を盛り上げます。
舞台となる龍ヶ崎市は自由に探索が可能なオープンフィールドとして構成されています。街中では不良や敵対組織との喧嘩アクションが発生し、看板や自転車といった周囲のオブジェクトを武器として活用するダイナミックな戦闘が展開されます。また、授業や部活動の指導だけでなく、メイド喫茶でのアルバイトや釣り、ゲーセンでのミニゲームといった多彩なプレイスポットが用意されており、教師としての日常を自由に遊び尽くすことができます。
主人公の見た目を自在に変更できるカスタマイズ要素も非常に充実しています。学ランやジャージといった教師らしい格好から、着ぐるみ、女装といった奇抜な衣装まで数百種類のアイテムが用意されており、ステータス強化の役割も果たします。どんなにバカバカしい格好をしていてもシリアスなイベントシーンにそのまま反映されるため、シュールな笑いと熱い人間ドラマが同居する、本作ならではの独特な空気感が形成されています。
『ガチトラ! 〜暴れん坊教師 in High School〜』は、スパイクの人気作『喧嘩番長』シリーズの生みの親である松本朋幸氏が監督・脚本を務めた完全オリジナルの作品です。任侠の世界から教育現場へという設定は、往年の学園ドラマや任侠映画のパロディ要素を多分に含みつつ、現代の社会問題に鋭く切り込む重厚なシナリオも併せ持っています。













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