『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』は、2011年にPlayStation Portable向けに発売されたシミュレーションRPGであり、シリーズ20周年記念作品として制作された「Zシリーズ」の第2作目です。前作『スーパーロボット大戦Z』の続編にあたり、シリーズ初の2部構成の前編として位置づけられています。

物語の舞台は、複数の並行世界が融合して誕生した「多元世界」。この世界では、異なる歴史や文明を持つ国家や勢力が混在し、テロや紛争、そして謎の存在「次元獣」による脅威が絶えません。主人公・クロウ・ブルーストは、借金返済のために次元獣用兵器「ブラスタ」のテストパイロットとなり、やがて多くの勢力と関わりながら、世界の混沌に立ち向かうことになります。

本作の魅力は、シリーズ最多級となる全34作品の参戦タイトルと、携帯機とは思えないほどの美麗な戦闘アニメーション、そしてフルボイスによる臨場感あふれる演出にあります。『コードギアス 反逆のルルーシュ』『機動戦士ガンダム00』『天元突破グレンラガン』『マクロスF』など、当時の話題作が多数初参戦し、原作の枠を超えたクロスオーバーが展開されます。

ゲームシステム面では、単機制に回帰しつつも「サブオーダー」や「エースボーナス」などの新要素を導入。また、戦闘中の精神コマンド使用や、戦闘アニメのスキップ・カットイン演出の強化など、快適性と演出の両立が図られています。ストーリーは全50話構成で、後編『再世篇』へと続く壮大な物語の序章として、プレイヤーを引き込む力を持っています。

『破界篇』は、スパロボファンにとってはもちろん、シリーズ初心者にも入りやすい設計となっており、携帯機スパロボの中でも屈指の完成度を誇る作品です。