『侍道2ポータブル』は、2009年9月3日にスパイク(現・スパイク・チュンソフト)からPlayStation Portable向けに発売されたアクションアドベンチャーゲームで、2003年にPlayStation 2で発売された『侍道2 決闘版』をベースにした移植作品です。開発はアクワイアが担当し、携帯機向けに最適化されつつも、原作の自由度と重厚な時代劇の世界観をしっかりと継承しています。
物語の舞台は幕末の出島「天原(あまはら)」。プレイヤーは流浪の侍としてこの地に現れ、10日間という限られた期間の中で、奉行所、青門組、町人たちの間で揺れる勢力争いに関わるか、あるいは一切干渉せず己の道を貫くかを選択していきます。選択肢や行動によって物語が大きく分岐し、全14種類のエンディングが用意されており、周回プレイによる発見とやり込みが魅力です。
戦闘はリアルタイムで展開され、縦斬り・横斬りに応じた「捌き」や「見切り」、一撃必殺の「居合」など、タイミングと読み合いが重要なシステムが特徴です。刀は60種類以上が登場し、鍛冶屋での強化や冠名の付与によって性能をカスタマイズ可能。戦闘スタイルや構えによっても戦略が変化します。
PSP版では、PS2版にはなかった新モード「武士の挑戦状」が追加され、ステージ制のバトルモードで腕試しが可能。クリアすることで使用可能キャラクターが増えたり、本編で鍛えた刀の限界値をさらに強化できるなど、やり込み要素が強化されています。また、アドホック通信による対戦プレイにも対応しており、友人との1対1の真剣勝負も楽しめます。
グラフィックはPS2版からのダウングレードはあるものの、携帯機としては高水準で、ロード時間の短縮や操作性の最適化など、快適なプレイ環境が整えられています。短時間でも遊べる構成と、自由度の高い選択肢による多彩な展開が、携帯機との相性の良さを際立たせています。
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