『Memories Off #5 とぎれたフィルム』PSP版は、2005年に発売されたシリーズ第5作目の移植作品です。PSP版では、オリジナルのPlayStation 2版に加え、後日談にあたる「After Story」が追加収録されており、物語の補完とキャラクター描写の深化が図られています。シリーズの中でも群像劇的な構成が特徴で、恋愛要素に加えてサスペンス的な展開も含まれています。
物語は千羽谷大学の映画サークル「CUM研」を舞台に、主人公・河合春人が親友・日名雄介の死をきっかけに夢を見失いかけるところから始まります。そこに現れた謎の女性・仙堂麻尋が、雄介の遺した脚本をもとに映画制作を提案し、春人と仲間たちの関係に変化をもたらしていきます。本作では、主人公に明確な性格と外見が設定されており、シリーズ初の「リバースカット」システムにより、ヒロイン視点での物語進行も可能となっています。
PSP版では、ビジュアルの高解像度化や音楽の再調整が行われており、主題歌「あの空の果てまで」(歌:彩音)をはじめとする楽曲群も新たに収録されています。また、シリーズの過去作との関連性は抑えられ、独立した作品としての完成度が高められています。
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