『スーパーロボット大戦A PORTABLE』は、2008年にPlayStation Portable向けに発売されたシミュレーションRPGで、2001年にゲームボーイアドバンスで登場した『スーパーロボット大戦A』のリメイク作品です。原作のストーリーや構成を踏襲しつつも、グラフィックやシステム面で大幅な強化が施され、携帯機ながら据え置き機に匹敵する完成度を誇る一本となっています。

物語は、異世界から現れた組織「シャドウミラー」との戦いを軸に、主人公(アクセル・アルマーまたはラミア・ラヴレス)が地球の命運をかけた戦いに身を投じていくという、重厚なパラレルワールドストーリー。選ばなかった主人公はライバルとして登場し、物語に緊張感と深みを与えます。

本作では『機動戦艦ナデシコ』『機甲戦記ドラグナー』『真・ゲッターロボ(原作漫画版)』『機動戦士ガンダム0083』『Gガンダム』『ガンダムW Endless Waltz』など、70〜90年代の人気ロボット作品が多数参戦。戦闘アニメーションはPS2作品からの流用や新規作成によって高品質に仕上げられ、全キャラクターにボイスが追加されるなど、演出面でも大きく進化しています。

ゲームシステムも現代的に再構築されており、「スキルパーツ」や「エースボーナス」「カスタムボーナス」などの育成要素が導入。さらに「連続ターゲット補正」や「乱数保存」など、戦術性とリセット対策を両立した新機能も搭載されています。難易度は高めに設定されており、戦略性とユニットの相性を活かしたプレイが求められる、骨太なゲームバランスが特徴です。

『スーパーロボット大戦A PORTABLE』は、原作の魅力をそのままに、携帯機でのプレイ体験を極限まで高めたリメイク作品であり、シリーズファンはもちろん、戦略ゲーム好きにも強くおすすめできる一作です。