『イノセントライフ -新牧場物語-』は、2006年4月27日にマーベラスインタラクティブより発売されたPlayStation Portable(PSP)用ファンタジー生活シミュレーションゲームであり、従来のシリーズとは一線を画すSF設定を取り入れた「新牧場物語」の第1弾タイトルです。プレイヤーは遺跡の残る孤島で目覚めた人造生命体「イノセントライフ」となり、荒れた大地を再生させる使命を帯びて生活を始めます。

本作の舞台となる島には、古代文明の遺産である遺跡が存在し、農業と冒険を並行して進める独自のスタイルが採用されています。畑を耕して作物を育てる基本的な牧場生活に加え、遺跡の奥地を探索して精霊の封印を解いたり、島の危機を救うために奔走したりと、ストーリー性の強い内容となっています。

牧場運営においては、近未来的な世界観に合わせて進化したハイテク農具や設備が登場します。じょうろやクワといった道具だけでなく、収穫物を運搬するレールや自動散水機などを活用することで、効率的かつ大規模な農業経営が可能となり、文明と自然の融合が表現されています。

従来のシリーズに見られる恋愛や結婚といった要素は排除され、代わりに人造生命体である主人公が人々との関わりを通じて「人間らしさ」や「感情」を学んでいく過程が描かれています。純粋な農業シミュレーションとRPGのような探索要素が融合し、孤独な少年がやがて島の大切な存在へと成長していく物語が体験されます。

本作は人気シミュレーション『牧場物語』シリーズから派生した「新牧場物語」として展開されたタイトルです。シリーズの根幹である「作物の育成」や「動物の飼育」といった要素を受け継ぎつつ、SF設定やダンジョン探索といったRPG要素を融合させ、従来とは異なる世界観で再構築されています。

牧場物語