『実況パワフルプロ野球12』は、2005年7月14日にコナミからPlayStation 2およびニンテンドーゲームキューブ向けに発売された野球ゲームで、シリーズ第12作目にあたります。前作『パワプロ11』のシステムをベースにしつつ、グラフィックや演出、モード構成にさまざまな改良が加えられ、特に「サクセスモード」や「マイライフモード」の自由度とボリュームが大きく進化した作品です。
サクセスモードでは、架空の都市「パワフルタウン」を舞台に、「野球アカデミー編」「社会人助っ人編」「プロテスト編」の3シナリオが展開されます。それぞれ異なる立場からプロ入りを目指す内容で、街の施設の発展や仲間との関係性が育成に影響を与えるという、シリーズでも特に自由度の高い構成が特徴です。また、友情タッグ練習や伝説最強戦、隠しルートなど、やり込み要素も豊富に用意されています。
マイライフモードでは、選手の「格」システムが新たに導入され、交友関係やイベント発生に影響を与えるようになりました。出塁時の盗塁操作や投手時の打撃操作が可能になるなど、プレイアビリティも向上しています。ただし、監督やコーチのAI、選手起用のバランス、交友イベントの難易度などには賛否があり、特に結婚イベントの複雑さやバグの多さは一部で問題視されました。
試合面では、セ・パ交流戦の導入や1リーグ制への変更、自由獲得枠の導入など、ペナントモードの球団運営要素が強化され、応援曲作成や野球教室モードなど、試合以外の楽しみも充実しています。
なお、2005年のプロ野球ではセ・リーグは阪神タイガースが優勝し、赤星憲広や今岡誠、藤川球児らが活躍。パ・リーグは千葉ロッテマリーンズがプレーオフを制して日本一に輝き、ボビー・バレンタイン監督の采配や里崎智也、今江敏晃らの活躍が話題となりました。これらの成績や選手データは本作にも反映されています。
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