『陰陽大戦記 零式』は、2004年12月9日にゲームボーイアドバンスで発売された和風ファンタジーRPGです。原作はTVアニメ『陰陽大戦記』で、式神と呼ばれる精霊を操る少年たちの戦いを描いた物語をベースに、ゲームオリジナルの展開を加えた構成となっています。アニメ放送開始から約2ヶ月後に登場した本作は、原作の世界観を活かしつつ、プレイヤー自身が式神使いとなって物語を進める没入型のゲーム体験を提供します。

プレイヤーは主人公リクとなり、「神操機(ドライブ)」を使って式神を召喚し、敵と戦っていきます。戦闘は「印入力システム」によって進行し、十字キーで印を素早く入力することで技が発動します。入力速度によってダメージ倍率が変化するなど、アクション性と戦略性が融合したバトルが展開されます。登場する式神は70体以上に及び、イベントをクリアすることで新たな式神と契約できるなど、コレクション性も高く、育成の楽しさが広がります。

物語はアニメ第4話以降のパラレル展開として構成されており、漫画版のキャラクターも登場するなど、原作ファンにとっては新鮮なシーンが多数描かれます。たとえば、リクが天流の仲間と戦うなど、アニメでは見られない対決が実現されており、キャラクターの新たな一面を発見できます。一方で、キャラの口調や性格に違和感を覚える場面もあり、原作とのギャップに戸惑うプレイヤーもいるかもしれません。

ゲームボーイアドバンス専用タイトルとして登場した本作は、ドット絵の質や演出面に定評があり、式神の個性を際立たせるアニメーションも魅力です。戦闘に負けてもゲームオーバーにならない設計や、アニメーションの早送り機能など、当時としては先進的な要素も盛り込まれています。原作の世界を拡張し、式神との絆を深める体験ができる本作は、陰陽大戦記ファンにとって試される一作とも言えるでしょう。

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