『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は、2004年11月25日にバンダイからゲームボーイアドバンス向けに発売された2D対戦型格闘アクションゲームで、開発はナツメが担当しました。本作はアニメ『SEED DESTINY』の放送開始直後にリリースされたため、物語の再現要素はほとんどなく、代わりに『SEED』および『DESTINY』のモビルスーツを用いたオリジナルの格闘ゲームとして構成されています。
ゲームは1対1の2D格闘形式で、操作はAボタンで射撃、Bボタンで格闘、Lボタンで特殊攻撃、Rボタンでスラスター移動といったシンプルな構成ながら、十字キーとの組み合わせによって多彩な技が繰り出せる本格仕様となっています。さらに、ラウンド中に1回だけ発動できる「バーサーカー」モードでは攻撃力が上昇し、超必殺技が使用可能になります。フェイズシフト装甲を持つ機体は「PSゲージ」によって実弾攻撃を軽減できますが、ゲージが尽きると「フェイズシフトダウン」が発生し、防御力が大幅に低下します。
登場機体は初期状態で12機、ショップ購入や条件達成によって最大27機まで使用可能となり、『SEED』からはストライク、フリーダム、ジャスティス、プロヴィデンスなど、『DESTINY』からはインパルス、セイバー、ザクウォーリア、カオス、ガイア、アビスなどが登場します。さらに、外伝作品『SEED ASTRAY』からレッドフレームとゴールドフレーム天ミナも参戦しており、後者は裏ボスとして登場するなど、ファン向けの演出も盛り込まれています。
ゲームモードは、勝ち抜き戦の「メインモード」、1対1の「VSモード」、連戦に挑む「サバイバル」、時間制限付きの「タイムトライアル」、コンボ練習用の「チャレンジ」、自由対戦の「フリーバトル」、機体購入用の「ショップ」など多岐にわたり、やり込み要素も豊富です。特定条件を満たすことで、北米版『Gundam SEED Battle Assault』を丸ごと遊べるモードも解禁されます。
演出面では、GBA作品ながら全キャラにボイスが収録されており、超必殺技や勝利時にセリフが再生されます。フェイズシフトダウン時の色変化や、バーサーカー発動時の「種割れ」演出など、原作ファンを意識した細かな演出も評価されています。一方で、難易度の高さや一部機体の入手条件の厳しさ、後期DESTINY機体の未収録などが惜しまれる点として挙げられます。
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