『ザ・キング・オブ・ファイターズ EX2 ~Howling Blood~』は、2003年1月1日にゲームボーイアドバンス向けに発売された2D対戦格闘ゲームで、前作『EX NEO BLOOD』の続編にあたります。開発はサンテック、発売はマーベラスエンターテイメントが担当し、旧SNKスタッフも一部参加するなど、前作の反省を活かした正統進化作品として高く評価されました。

本作は、KOFシリーズの外伝的な位置づけでありながら、オリジナルキャラクターや独自のストーリーを展開。草薙京や八神庵、神楽ちづるら“三種の神器”に加え、彼らを補佐する存在として「十種神宝(とくさのかんだから)」の設定が導入され、大神零児、華守純、黒咲壬羽、天羽忍ら新キャラクターが登場します。ストーリーは、封印されたオロチの気配を察知した神楽ちづるが、京と萌にKOF出場を依頼するところから始まり、やがて黒幕グスタフ・ミュンヒハウゼンの陰謀と、ボスキャラ「忍」の覚醒へとつながっていきます。

ゲームシステムは、前作のストライカーシステムを改良し、3人チーム制に回帰。1人目は2人目、2人目は3人目がストライカーを務めるという構成で、出撃順による戦略性が増しています。また、キャラクターごとに「テクニカルジャッジ」という経験値が設定されており、使い込むことで隠し要素や「マスターモード」が解放されるなど、やり込み要素も充実しています。マスターモード中は超必殺技が出し放題となり、空キャンセルも可能になるため、通常では不可能な連続技も実現可能です。

グラフィックや演出も前作から大幅に改善され、GBA作品としては非常に高い完成度を誇ります。新キャラクターのドット絵やアニメーションも丁寧に作り込まれており、BGMやボイスの質も向上。特定のキャラ編成で発生する隠しエンディングや、ギャグ要素を含んだネタ展開など、ファンサービスも豊富です。

一方で、バグや不具合、調整不足なキャラ性能なども一部存在し、特にボスキャラ「忍」の挙動や新キャラ「純」のバランスには課題が残りました。それでも、前作からの大幅な改善と、GBA格闘ゲームとしての完成度の高さから、シリーズファンや携帯機ユーザーからは高い評価を受けています。