『ザ・キング・オブ・ファイターズ EX NEO BLOOD』は、2002年1月1日にゲームボーイアドバンス向けに発売された2D対戦格闘ゲームで、KOFシリーズ初のGBA作品です。開発はアートゥーン、発売はマーベラスエンターテイメントが担当し、SNKからライセンスを受けて制作されました。

本作は『KOF2000』のシステムをベースにしつつ、グラフィックやキャラクター構成に『KOF’99』の要素を多く取り入れた構成となっており、ストライカーシステムやカウンターモード、アーマーモードなどが実装されています。ゲームボーイアドバンスの性能を活かし、携帯機ながらネオジオ版に近い頭身のキャラクターグラフィックを再現している点が特徴です。

オリジナルキャラクターとして、桜の花をモチーフにした技を使う「葉花萌(はばな もえ)」が登場し、草薙京や紅丸とともに主人公チームを構成します。ストーリーは「オロチ編」と「ネスツ編」の間をつなぐとされていましたが、実際には両編との関連性は薄く、独立した外伝的な内容となっています。

ゲームモードはチーム戦、シングル戦、サバイバル、タイムアタック、スパーリング(トレーニング)などが用意されており、通信ケーブルを使った対戦プレイにも対応しています。ただし、操作性やバランス面では不具合やバグが多く、格闘ゲームとしての完成度には課題が残りました。特に、コマンド入力の認識精度やストライカーの挙動、演出の簡略化などが批判の対象となり、発売当時はファンの間で物議を醸しました。

それでも、GBAでKOFの世界観を再現しようとした意欲作であり、続編『EX2 HOWLING BLOOD』では多くの改善が施され、シリーズとしての評価を取り戻すことになります。