『白詰草話 〜EPISODE OF THE CLOVER〜』は、2003年6月26日にNECインターチャネルよりドリームキャスト向けに発売された恋愛アドベンチャーゲームで、遺伝子工学と超古代文明をめぐる陰謀の中で少女型兵器と研究者の関係を描く作品です。

舞台は2008年の東京・新宿。プレイヤーは、超法規的研究機関「古痕」に所属する若き遺伝子工学者・津名川宗慈として、少女型軍事兵器「エクストラ」3体の開発と保護を担います。透花・エマ・沙友と名付けられた彼女たちは、兵器でありながら人間らしい感情を持ち、津名川との日常生活を通じてその存在意義を模索していきます。

ゲームは全10話構成で、各話にオープニングとエンディングが挿入されるアニメ的な演出が特徴。1周目は選択肢が制限されており、物語は一本道で進行。2周目以降は選択肢が増え、3人のヒロインとの関係性が深まり、エンディングにも変化が生じます。ドリームキャスト版ではフルボイス化され、2002年にWebで公開されたおまけシナリオも収録。PC版には存在した回想モードは未収録ですが、CGモードや音楽モードは搭載されています。

透花は理性的でまとめ役、エマは感情的で快楽主義、沙友は天真爛漫で知覚能力に優れるという個性を持ち、津名川との関係性が繊細に描かれます。彼女たちを兵器としてではなく家族として扱う津名川の葛藤が、物語の核となっています。後半では研究所の襲撃や逃避行、超兵器「バベル」をめぐる決戦が描かれ、登場人物たちの内面が一気に掘り下げられます。