『Princess Holiday 〜転がるりんご亭千夜一夜〜』は、2002年にオーガストが発売したファンタジックお姫様アドベンチャーゲームで、吟遊詩人と王女の出会いを軸に展開する恋愛物語です。対応機種はWindows、Dreamcast、PlayStation 2。

物語は、主人公クリフ・クラウドが妹からの手紙を受け取り、3年ぶりに故郷・シンフォニア王国の王都へ戻るところから始まります。旅先で知り合った商人ウェンと共に帰郷したクリフは、街で偶然出会った少女を助けます。彼女は王城を抜け出してきた王女レティシア・ラ・ミュウ・シンフォニア。世間知らずな彼女の社会勉強を手伝うことになったクリフは、酒場「転がるりんご亭」で彼女を住み込みで働かせることにします。

プレイヤーは、クリフとして日々の生活を送りながら、レティシアをはじめとするヒロインたちとの関係を深めていきます。ヒロインは、妹のシルフィ、幼なじみのエレノア、看板娘のレイチェル、魔法使いのラピスなど個性豊かな面々。ゲームはノベル形式で進行し、選択肢によって物語が分岐。エンディングはPC版で7+1、家庭用では13種類が用意されています。

レティシアは「レティシア・アップル」と名乗り、りんご亭で働きながら歌姫としても活躍。毎夜、クリフのリュートに合わせて歌を披露します。彼女の天然で純粋な性格は、周囲の人々との関係を少しずつ変えていきます。舞台となるシンフォニア王国では、独自の暦が使われており、月の名前や季節感が物語の雰囲気を彩ります。

PC版は18禁ですが、Dreamcast版(2003年5月29日)とPlayStation 2版(2004年5月27日)は全年齢向けに調整され、CEROレーティングもそれぞれ異なります。PS2版にはエンディング曲を収録したCDが同梱されるなど、特典も充実しています。