『Wind -a breath of heart-(ウインド ア・ブレス・オブ・ハート)』は、不思議な力を持つ人々が暮らす風の街を舞台にした、感動的な恋愛アドベンチャーゲームです。家庭用版として、2003年1月30日にドリームキャストで、同年12月18日にPlayStation 2でアルケミストから発売されました。

本作は、PCゲームブランド・minoriの処女作をコンシューマー向けに移植したタイトルです。主人公・丘野真(おかの まこと)は、かつて住んでいた「風音市(かざねし)」へ数年ぶりに戻ってきます。この街では、住民の多くが「物を動かす」「風を起こす」といったささやかな超能力を持っていますが、それは決して便利な魔法ではなく、時には代償を伴う「呪い」のような側面も持っています。プレイヤーは真となり、幼馴染の鳴風みなもや、無愛想な転校生、ミステリアスな先輩たちと再会し、過去に交わした約束や、能力にまつわる悲しい運命と向き合っていきます。

家庭用移植に際して、PC版から声優陣が一新されたほか、当時新進気鋭のアニメーション作家だった新海誠氏による新規オープニングムービーが収録されました。透明感あふれる映像美と主題歌「Windy World」が融合したオープニングは、ドリームキャスト版発売当時から大きな話題を呼びました。シナリオは「泣きゲー」として評価が高く、切ない運命に翻弄されながらも絆を紡ぐ純愛物語は、多くのプレイヤーの涙を誘いました。PS2版はDC版の約1年後に発売され、より多くのユーザーにこの物語を届けました。

評価については、心温まるストーリーと美しい音楽、そして演出のクオリティが非常に高いです。システム面(既読スキップの速度など)は当時の水準で標準的ですが、DC版・PS2版ともに致命的な欠点はなく、丁寧に作られた良作です。特に「約束」と「再会」をテーマにした物語の完成度は高く、エンディング後の余韻に浸れる作品として長く語り継がれています。

本作の象徴的なアイテムといえば、主人公が愛用する「ハーモニカ」と、風に乗って空を飛ぶ「飛行船」です。どこか懐かしく、哀愁を帯びたハーモニカの音色は、遠い記憶を呼び覚まします。デジタルな音楽も良いですが、時には自分の息で音を奏で、風を感じるアナログな楽器に触れてみてはいかがでしょうか。

哀愁漂うトンボのハーモニカ

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