『ウィークネスヒーロー トラウマンDC』は、2002年にドリームキャスト向けに発売された恋愛アドベンチャーゲームです。本作は、NECインターチャネルが開発したPC版『ウィークネスヒーロー トラウマン』の移植作品であり、フォーティーファイブによってドリームキャスト版として再構成されています。特撮ヒーロー番組のフォーマットを模した演出が特徴で、全8話構成のシナリオにオープニングアニメや次回予告が挿入されるなど、テレビ番組的な構造を備えています。

プレイヤーは、悪の秘密結社「ダークフェロモン」の総統である高校生「四尾征志」として、日本征服を目指す立場から物語を進行します。ゲームは「シナリオモード」「諜報活動」「バトルモード」の3フェーズで構成されており、ヒロインの弱点(トラウマ)を探り、それを元に怪人「ミックスマン」を製造して戦わせるという設計です。ヒロインには好感度が設定されており、情報収集と恋愛要素が戦闘結果に影響を与える構造が採用されています。

戦闘に勝利すると、ヒロインの体から生物兵器「イクスィード」を探索するフェーズが挿入され、敗北時には幹部への制裁イベントが発生します。このように、勝敗によって展開が分岐するマルチエンディング形式が導入されており、周回プレイによって新たなイベントや機能が解禁される設計です。特定の選択肢によってエンディングフラグが折れる仕様も存在し、攻略には計画的なプレイが求められます。

演出面では、柳川茂(シナリオ)、新貝田鉄也郎(キャラクターデザイン)、中村光毅(美術監督)、田光誠(音楽)など、著名なスタッフが参加しており、特撮やアニメ的な演出が随所に施されています。ナレーションには『仮面ライダー』で知られる中江真司が起用されており、作品全体に特撮番組の雰囲気を強く反映させる構成となっています。