『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(がろう マーク オブ ザ ウルヴス)は、SNKが1999年にアーケード向けにリリースした2D対戦型格闘ゲームであり、長寿シリーズ「餓狼伝説」の流れを汲む作品です。ドリームキャスト版は2001年9月27日に発売され、旧SNKが他社プラットフォーム向けにリリースした最後の家庭用ソフトとなりました。
物語は『リアルバウト餓狼伝説』から10年後の世界を舞台にしており、主人公はギース・ハワードの息子であるロック・ハワード。彼はテリー・ボガードに育てられ、父と育ての親の技を併せ持つ新世代の格闘家として登場します。旧作からの続投キャラクターはテリーのみで、他はすべて新規キャラクターで構成されており、シリーズの世代交代を象徴する作品となっています。
ゲームシステムは従来の複数ライン制を廃止し、1ライン制に統一。これにより、より洗練された駆け引きが可能となりました。新たに導入された「ジャストディフェンス」は、攻撃を受ける直前にガードすることで硬直を軽減し、体力をわずかに回復するという防御システム。また、「T.O.P.システム」では、体力ゲージの一部を任意に設定し、その範囲内で攻撃力上昇や体力回復、専用技「T.O.P.アタック」の使用が可能になります。
ドリームキャスト版では、アーケード版の完全移植に加え、ストーリーモード、プラクティスモード、サバイバルモード、ギャラリーモードなどが搭載され、家庭用ならではの遊びごたえが強化されています。特にギャラリーモードでは、TONKO氏による美麗なキャラクターイラストやエンディングCGが閲覧可能で、ファンにはたまらない内容となっています。
本作は、SNKの2D格闘ゲームの集大成とも言える完成度を誇り、後の『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズにも多くのキャラクターが登場するなど、シリーズを超えて影響を与えた作品です。
コメントを追加