『レンタヒーローNo.1』は、2000年にドリームキャスト向けに発売された3DアクションRPGです。本作は、1991年にメガドライブで発売された『レンタヒーロー』のリメイク作品であり、現代社会を舞台に「レンタルヒーロー」という斬新な設定を軸に展開される構成となっています。主人公は、出前の手違いで戦闘用強化服「スーパーエナジーコンバットアーマー」を手に入れた青年「ヤマダタロウ」であり、依頼を受けて報酬を得ながら街の平和を守るヒーローとして活動することになります。
ゲームシステムは、セガのアーケードゲーム『スパイクアウト』のソースコードを流用した3Dアクション形式で構成されており、パンチ・キック・必殺技などを駆使して複数の敵と戦う設計です。戦闘はリアルタイムで進行し、コンボや特殊技の習得によって戦術の幅が広がる構造となっています。また、依頼内容は出前配達やビラ配り、小学生のパシリなど多岐にわたり、報酬によってレンタル料や乾電池代を支払う必要があるという経済的要素も導入されています。
演出面では、主題歌「君は人のためにレンタヒーローになれるか」が影山ヒロノブによって歌唱されており、作品全体に熱量とユーモアを与える要素となっています。さらに、新キャラクター「レンタヒロコ」の登場や、パロディ要素を含んだ街の名称・アイテム名など、セガらしいB級テイストが随所に盛り込まれています。これにより、シリアスとコミカルが混在する独特な世界観が形成されています。
なお、2003年にはXbox向けに移植版が発売されており、グラフィックやサウンドの強化に加えて「バトルモード」「ギャラリーモード」などの追加要素が搭載されています。ただし、移植版では一部イベントや町の数が削減されており、オリジナル版と比較してボリューム面での差異が存在する構成です。いずれのバージョンも、レンタルヒーローという設定を軸に、社会風刺とゲーム性を融合させたユニークな作品として位置付けられています。
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