『ザ・キング・オブ・ファイターズ DREAM MATCH 1999』は、1999年6月24日にセガのドリームキャスト向けに発売された2D対戦格闘ゲームで、実質的には『KOF ’98』のリメイク移植版です。タイトルに「1999」とありますが、内容は『KOF ’98』をベースにしたドリームマッチ形式の作品であり、ストーリー性よりもキャラクターの集結とバランス重視のゲーム性が特徴です。
本作は、KOFシリーズ初のドリームキャスト参入作品であり、シリーズとしても初めて3D背景やアニメーションオープニングを導入。背景は2Dドット絵をベースにしつつ、立体的な演出が加えられ、より臨場感のあるビジュアルに進化しています。また、キャラクターのセレクト画面やUIも刷新され、黄金色の世界地図を背景にした新デザインが採用されました。
ゲームシステムはオリジナルの『KOF ’98』と同様で、アドヴァンストモードとエキストラモードの2種類の操作スタイルを選択可能。ストライカーシステムは未搭載で、純粋な3on3のチームバトルが楽しめます。登場キャラクターは総勢50名以上で、EXキャラやオロチチーム、ボスキャラのオメガ・ルガールも使用可能。さらに、隠しコマンドで裏キャラを選択できる要素も健在です。
演出面では、新規アニメーションによるオープニングムービーが特に高く評価されており、京と庵の対決を軸に、各キャラクターのショートカットが挿入される構成はファン必見の内容です。また、ギャラリーモードでは『KOF ’99』の設定画やイラストも閲覧可能で、シリーズの世界観をより深く楽しめる仕掛けも用意されています。
一方で、音声にエコーがかかる仕様や、BGMがラウンドごとに最初から再生される点など、演出面での好みが分かれる部分もあります。それでも、シリーズ屈指の完成度を誇る『KOF ’98』をベースに、ドリキャスの性能を活かした本作は、まさに“家庭用KOFの決定版”とも言える内容となっています。
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