『本格派対局将棋 新・将棋倶楽部』は、前作からわずか7ヶ月という異例の短期間で投入されたスーパーファミコン用将棋シミュレーションゲームです。1995年9月22日にヘクトから発売されました。タイトルに「新」と冠されていますが、基本的には同年2月に発売された『本格派対局将棋 将棋倶楽部』のシステムを流用したマイナーチェンジ版であり、プレイヤーは引き続きコンピュータを相手に、装飾を削ぎ落とした静かな対局環境で将棋を指すことになります。
ゲーム内容は前作以上にストイックな仕様となっており、遊べるモードは「通常対局」のみに絞られています。プレイヤー対コンピュータ、プレイヤー対プレイヤー、そしてコンピュータ同士の対局を観戦するモードが用意されています。本作独自の機能として、対局前にコンピュータの「戦法」を指定できるシステムが搭載されており、「矢倉」や「四間飛車」といった特定の戦型対策を練ることが可能になりました。操作系は前作同様、コントローラー操作に加えて直感的な駒移動ができるマウス操作にも対応しています。
しかし、「新」というタイトルから期待される大幅な進化やボリュームアップはほとんど見られません。むしろ、将棋ゲームの定番である「詰将棋モード」や「トーナメント戦」といった要素が搭載されておらず、機能面では前作よりも簡素化されている部分さえあります。思考ルーチンも劇的に強くなったわけではなく、短期間での発売も相まって、当時のユーザーからは「どこが新しいのか」という疑問の声も上がりました。ひたすら特定の戦法と戦い続けたいというニッチな需要には応えていますが、ゲームとしての娯楽性は極限まで切り詰められています。
思考時間に制限のないゲーム内の対局とは異なり、現実の将棋において時間は最も冷酷な支配者です。カチリ、カチリと時を刻む対局時計(チェスクロック)を盤の横に置けば、長考の甘えを許さない緊張感が生まれ、指し手の一手一手にプロ棋士のような重みと決断力が宿ります。













コメントを追加