任天堂は「Nintendo Direct 2025.9.12」にて、Nintendo Switch 2向け完全新作『ファイアーエムブレム 万紫千紅(ばんしせんこう)』を2026年に発売すると発表した。本作は、シリーズ伝統のターン制シミュレーションRPGを継承しつつ、複数の王家と血統を軸にした群像劇を描く意欲作となっている。

物語の舞台は、七つの王国が色彩を象徴として統治する大陸「セイラン」。プレイヤーは、紫の王国「ユウカ」の若き王子を中心に、各国の思惑が交錯する戦乱の渦に巻き込まれていく。タイトルの「万紫千紅」は、色とりどりの花が咲き乱れる様子を表す四字熟語であり、登場人物たちの多様な背景と運命を象徴している。

戦闘システムは、シリーズ定番のユニット移動と攻撃によるターン制バトルを基本に、地形・天候・色属性の三要素が戦局に影響を与える新機軸が導入されている。たとえば、赤属性のユニットは炎系の地形で能力が上昇し、青属性は水辺で回避率が強化されるなど、戦略の幅が広がる設計となっている。

育成面では、血統によるスキル継承が重要な要素となっており、王族同士の絆や対立がユニット性能に直結する。支援会話やペアエンドの要素も継続されており、物語と戦力が密接に絡み合う構造が強化されている。

また、シリーズ初となる「分岐国家編成システム」が搭載されており、プレイヤーの選択によって同盟・敵対関係が動的に変化する。これにより、周回プレイでは異なる展開やマップ構成が楽しめるようになっている。

グラフィックはHD-2Dと3Dモデルを融合させたハイブリッドスタイルで、キャラクターの表情や演出がより繊細に描かれている。BGMは各王国の色彩テーマに合わせた旋律が用意され、戦闘と物語の緊張感を高める役割を果たしている。