『バーチャル競艇』シリーズは、水上の格闘技「競艇(現・ボートレース)」を本格的に再現したレースシミュレーションゲームです。1996年にセガサターンで第1作目が登場して以来、PlayStationへと舞台を移しながら全6作品がリリースされました。日本物産(ニチブツ)が手掛けた本シリーズは、一貫して「全国モーターボート競走会連合会(当時)」および「日本モーターボート選手会」の公認を受けており、ゲーム内に登場する選手たちはすべて実名で登録されています。
シリーズの変遷としては、まずセガサターンで『バーチャル競艇 熱狂ペナントレース』と対戦機能を強化した『バーチャル競艇2』が発売され、その後PlayStationで年度ごとのデータを搭載した『’98』『’99』『2000』『21』が毎年リリースされました。プレイヤーはボートレーサーとしてデビューし、モンキーターンなどのテクニックを駆使してSG(スペシャルグレード)競走の制覇を目指します。
単なるアクションレースにとどまらず、モーターの整備やプロペラの調整といったピット内での戦略も重要視されているのが特徴です。また、シリーズを重ねるごとに「競艇英雄列伝」や「名勝負リプレイ」といったファン向けの資料的モードも充実していきました。実在の選手データを使用しているため、当時のトップレーサーたちと競い合える臨場感は、多くの競艇ファンを唸らせる完成度を誇っています。
本シリーズを手掛けた日本物産は、1970年代からアーケードゲームや脱衣麻雀などで一時代を築いた老舗メーカーです。硬派なシューティングゲーム『テラクレスタ』などで知られる一方、本シリーズのようなギャンブルや公営競技を題材にしたシミュレーションゲームにも定評がありました。特に『バーチャル競艇』シリーズは、競艇ファンに向けたマニアックなデータ量と、ゲームとしての遊びやすさを両立させた同社の後期を代表するスポーツゲームシリーズです。













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