『アイアンマン/XOマノワー』セガサターン版は、1996年11月22日にアクレイムジャパンより発売された横スクロール型アクションゲームです。本作は、マーベル・コミックの「アイアンマン」とアクレイム・コミックの「X-Oマノワー」が共演するクロスオーバー作品であり、異なる出版社のヒーローが協力して敵勢力と戦うという企画性に富んだ構成が採用されています。開発はReal SportsおよびRealtime Associatesが担当しており、北米では『Iron Man / X-O Manowar in Heavy Metal』のタイトルで展開されました。
ゲームは2Dベースの横スクロール形式で構成されており、プレイヤーはアイアンマンまたはX-Oマノワーを操作して、コズミック・キューブを狙うヴィランたちの野望を阻止する任務に挑みます。両キャラクターはジャンプ、パンチ、レーザー攻撃、飛行といった基本アクションを共有しており、アイテム取得による能力強化が可能です。各ステージの冒頭ではクリア条件が提示され、単なる敵撃破だけでなく、特定の目標達成が求められる設計です。
セガサターン版では、プレイステーション版と同様に英語音声・英語表記が採用されており、ローカライズは最小限に留められています。グラフィックは32ビット機としては控えめな水準であり、操作性や視認性に課題があると評価されています。GameSpotやIGNなどの海外レビューでは、完成度の低さや急造感が指摘されており、特に操作性とゲームバランスに対する批判が目立ちます。一方で、キャラクター交代機能や原作再現度に一定の評価が与えられています。
本作は、ゲームとしての完成度よりも、異なるコミック世界のヒーローが共演するという企画性に重きを置いた構成であり、1990年代後半のライセンスゲームの典型例と位置づけられます。セガサターン版は日本国内でも発売されており、プレイステーション版と並行して展開された数少ない洋ゲー移植作品の一つです。クロスオーバー作品としての希少性と、当時の移植事情を示す資料的価値を持つタイトルです。
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