『リアルバウト餓狼伝説』は、1995年にアーケードで稼働を開始したSNKの2D対戦格闘ゲームで、家庭用にはセガサターン(SS)版とPlayStation(PS)版がそれぞれ移植されています。どちらもNEOGEO版をベースにしつつ、ハードの特性に合わせたアレンジが施されており、それぞれに異なる魅力と特徴があります。
セガサターン版は、1996年に発売され、NEOGEO版に近いグラフィックと演出を再現するために、拡張RAMカートリッジに対応。これにより、アニメーションパターンの削減を最小限に抑え、滑らかな動きを実現しています。また、ロード時間も比較的短く、アーケードに近いテンポでプレイできる点が高く評価されました。さらに、EXキャラクター(性能違いの裏キャラ)も隠しコマンドで使用可能で、ファンには嬉しい仕様となっています。操作感やレスポンスも良好で、サターンの格闘ゲーム向け設計が活かされた移植といえるでしょう。
一方、PlayStation版は1997年に登場し、グラフィックや演出の一部に簡略化が見られるものの、独自の要素としてアニメーションムービーやギャラリーモードなどが追加され、家庭用ならではの楽しみ方が用意されています。ロード時間はやや長めで、アニメーションパターンも一部削減されていますが、コンボの爽快感やキャラクターの個性はしっかりと再現されており、シリーズの魅力を十分に味わえる内容です。PS版は後に『リアルバウト餓狼伝説スペシャル ドミネイテッドマインド』へと発展し、独自のストーリーや新キャラクターを加えたアレンジ作品として展開されていきます。
両機種ともに、当時のハード性能の限界に挑みつつ、アーケードの熱気を家庭で再現しようとした意欲作であり、今なおファンの間で語り継がれる存在です。
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